ある老人からの贈りもの「無知を知る」
◆無知を知る◆
自分自身、なんでも知っているようで何も知らない。
「自分は“知らないことがある”ということを“知っている”」
ある日、祖父に尋ねてみた。
「おじいちゃんは、なんでいつも本を読んでいるの?」
『知らないことがあるからだよ』
90歳を過ぎた祖父からは、今までたくさんの智慧をもらっていた。
何でも知っているおじいちゃんだなと思っていた。
しかし、そんな祖父も知らないことがあるという。
衝撃的とまではいかないが、尋ねた当時は不思議な感覚になったことを思い出す。
知らないことがあることを受け入れることで、
今の自分の立ち位置の意味が少しだけ分かる気がする。
誰が、なにを教えてくれているのか。
今の環境で、自分はなにを知りたいのか。
神様は、なにを教えてくれようとしているのだろう。
自分にそう問う時間こそ、老人からの贈りもの。
その贈りものは、常に自分の中にある。