ふと想うこと「この風は」
朝の散歩をしていると想うことがある。
頬にあたるこの風は、
どこから始まったのだろう。
そして、
どこで終わるのだろう。
目に見えないけれど、
感じることはできる。
遠くに目をやると、
木々がなびいている。
旗がなびいている。
この風は、地球の裏側にいる少女の吐息から始まったのかもしれない。
始まりと終わりを想ってみる。
いつのまにか、
いただいた命の始まりと終わりを想っている。
始まりと終わりの途中に在ることを感じる。
この風は、どこから来てどこへ向かうのか。
その途中に出逢った、頬にあたる風。
今ここは、
途中である。
今日は、
途中である。
始まりが無く、
終わりも無い。
そう感じることもある。
今、ここに在る。
今、ここに居る。
今、ここに「あ」る。
今、ここに「い」る。
たったそれだけ。
それだけのこと。
この風は、愛だけを運んでいる。